福井テレビの人気番組「なんだーワンダー」に越前市の村国山にある「帆山トンネル」が取り上げられます。放送は、4月19日(土)午後6時29分からです。土田のぶよしが出演します。是非、ご覧ください。
帆山トンネル
日野川河川緑地の東の村国山のふもとにあり、内部には お地蔵さまが安置されています。昭和 7 年に林一治病院長が、採掘技術者小山五郎助に依頼したトンネルです。奥越の中竜鉱山で働いていた経験豊富な小山は、1 人でコツコツと掘り進んで高さ約 2.5m延長約 60mのトンネ ルを、昭和 22 年に完成させました。
このトンネルのおかげで、帆山や矢放方面から村国に容易に行き来できるようになりました。現在でもこの道は、越前市の市道に指定されています。
村国山
村国山は、市域の中央に位置し標高 238.9m、東西約 1.3 キロ、南北約 1.7 キロの独立した山。現在の村国山の地名は、8 世紀の一時期にこの地を支配していた村国氏(美濃国 出身の村国虫麻呂が一時期越前国に赴任)に関係があると言われています。
村国山は、さらに古代には「ほ山」と呼ばれていました。ほ山の「ほ」は、「秀・火・日・香・穂」のことで、高く秀でているとか、神聖とか光り輝くとかの意味で、「聖なるものが下りてくる場所」を意味する信仰の山であったのだろうと、言われています。
山頂から山麓にかけて 50 基以上の古墳がある。そのうち最大のものは山頂付近にあり、主体部は円形で約8メートル、周囲 50~60mある。武生盆地最大級と言われている。東西の山腹にも古墳時代後期以降の円墳や横穴古墳が有ります。中でも大屋町の穴地蔵古墳は、石室の奥壁正面に 地蔵菩薩像が彫刻されており、越前市指定の文化財となっています。これらの古墳群は、当時の豪族の存在を物語っています。この時代から、この地が越の国の政治、経済、文化の中心となる基盤を有していたと思えます。
また、古来、見晴らしがいいことから、砦、見張り、山城など臨時の軍事的要所になったともいわれています。狼煙(のろし) は、古くから敵の攻撃を知らせることなど、戦絡みの合図用に使われていました。 村国山は狼煙による情報伝達の拠点でもありました。このことから村国山は、毎年 10 月に広域的に行われる狼煙の情報伝達リレーの一角を担っていました。
北側山中の芦山公園は、蚊帳製造業で財を成した山本甚右衛門氏が、大正 13 年に公園用地として寄付したもので、面積は 34.8ha。林学博士本多静六氏が設計した自然を多く取り入れた 公園。今日では、中腹にトイレが整備され、山頂近く まで車で上がることができ、駐車場もあります。市民の憩いの場となっています。
「村国山」は、越前市の中央に位置し、 古くから信仰の対象として崇め、また里山の公園として親しんできた山であり、現在も日野川や同河川広場との連携による相乗効果により市民のシンボル的な場所となっています。