私は、市役所の職員(理事)時、介護予防を狙いとして、地域の高齢者が町内公民館などに集まり、おしゃべりやゲームを楽しむ「つどい(サロン)」を奨励する制度をつくりました。平成27年度のことです。
制度は、「つどい(サロン)」開催回数に応じて、町内区長に6万円/年から18万円/年の助成金を支払うものです。
上のグラフを見てください。越前市の要介護認定率は、全国に比べぐんと低下しています。
いきいきシニアクラブの皆さん、区長さん、民生委員さん、福祉推進委員さんなど、多くの関係者のご努力のおかげで、次々とひろまりました。現在では、ほぼ全町内で「つどい(サロン)」が開催されています。これら、地域ぐるみの介護予防活動のおかげで要介護認定率の改善につながったのです。
越前市の介護保険特別会計の令和2年度の決算額は、約75億4,000万円です。そのうち約70億円が介護給付費です。仮に越前市の要介護認定率(16.2%)が、かつての越前市のように全国平均(18.4%)だったとしたら、試算すると約79億5000万円の介護給付費が必要です。
この差額は、9億5千万円です。つまり、介護保険の世話にならない元気な方が増えたため、越前市の介護保険特別会計の令和2年度の決算額は9億5千万円の削減ができたことになります。
介護予防は、高齢者が自ら進んで介護予防の活動に継続的に参加し、自分らしい生活の維持が大切です。私たちの福井県は、越前市は、町内単位の公民館など高齢者が日常生活の中で気軽に参加できる活動の場が身近にあり、町内加入率もほぼ100%です。地域の人とのつながりの基盤があります。今後も日本をリードする介護予防活動の展開ができると確信します。
このおかげで越前市は、3年に一度見直しを規定されている介護保険計画で、今期も保険料の値上げを据え置くことができました(2期連続据え置き)。高齢者も健康で長寿で幸せ、若者も介護保険料が値上げされず安心、市も財政負担が軽減され感謝。みんながハッピーです。私は、今後もこのようなみんながハッピー、幸せになる施策を提案・推進していきます。