「日米地位協定の改定を求める意見書」可決

政権発足から半年となった石破茂首相。昨年の総裁選では、次のことを公約に掲げていました。

就任前は自民党の「党内野党」として旧安倍派など主流派と距離を置き、政治とカネの問題などで改革姿勢に好感を持たれていました。しかし、最近は掲げていた政策の実現に後ろ向きな発言ばかりが目立ちます。日米地位協定については、持論を封印している様子です。

日米地位協定についての学習会 2025年2月開催

このような中、越前市議会は、日米地位協定の改定を求める意見書の請願を可決しました。本議会に上程され、賛成13人、反対6人でした。

土田のぶよしは、日米地位協定についての学習会を開催し、採決にあたり賛成討論を行いました。内容は、次の通りです。

わが国には日米安全保障条約に基づき、30都府県に134の米軍基地があります。そのうち、70%以上が沖縄にあります。沖縄に集中しているのです。

請願者の酒田雅人さんは、どこの政党にも所属していない、自称、保守本流の方です。沖縄の戦没者のことから、アメリカ軍基地にかかる地域住民の負担問題にかかわるようになりました。全国の仲間と情報交換しこの周知活動や是正の運動をなさっています。

沖縄は、昭和47年に日本に返還されました。佐藤内閣の時です。佐藤栄作総理の密使として越前市出身の若泉敬さんが、ご尽力し、返還された沖縄です。沖縄県の日本復帰記念事業として昭和50年に沖縄海洋博覧会が開催されました。私は、そのころ40日弱、アルバイトをしながら沖縄に滞在しました。私がまだ学生だった10代の時です。現地の沖縄の方は、仕事以外では寡黙でした。まじめでやさしい。なんとも素朴であったかい。慣れてくると、いろんなことをお話してくれました。

沖縄県の日本復帰記念事業として昭和50年に開催された沖縄海洋博覧会 アクアポリス

その中には、次の事がありました。

米軍基地となった農地をかえして欲しい事。小学校の真上を昼夜を問わず米軍機が飛び、やかましいこと。少女が米軍人から暴行に合っていることなどです。日本の航空法が適用されない、国内法で裁くことができない。50年前のことです。当時は、本土に復帰したので、まもなく改善されるに違いないと期待をあらわにしていました。

しかし、どうでしょう。米軍人。軍属等による刑法犯罪は、復帰(昭和47年)から令和元年までの間に6,029件も発生しています。うち殺人・強盗・強姦などの凶悪犯が580件となっています。 

性暴力は人格を否定し、人間の尊厳を破壊する犯罪であり、被害者は今もPTSDに苦しんでいます。行政機関にはこの様な事件から子供たちを守る責任があります。

そのためには、日米地位協定の見直しが必要です。昭和35年から、つまり1960年に締結されて以来、60数年間1度も改訂されずに不平等のまま今日にいたっています。 沖縄が返還されて50年以上が経過しています。沖縄返還に寄与した郷土の偉人、若泉敬さんは、どう思っているのでしょう。沖縄で生活している方々はどう思っているのでしょう。

他人ごとではありません。国民の生命財産、人権を守るためには日米地位協定の見直しが喫緊の課題です。

全国知事会は、平成30年(2004年)7月27日、日米地位協定の抜本的見直しを求める提言を行っています。以後245地方議会が意見書を採択しています。

以上のことから、越前議会においても、「国民の命と人権を守るために日米地位協定の抜本的改定を求める意見書」の請願採択は、極めて重要だと考えます。以上

様々な米軍の理不尽な行動に苦しむ沖縄県民の心情を汲み取り、各議員の賛同を心からお願いし、私の本請願に関する賛成の討論とさせていただきます。

目次