越前和紙産地に「国際木版画ラボ」

越前市内の今立地区に「国際木版画ラボ」が完成し、4月21日から本格運用が始められました。「国際木版画ラボ」とは、築約100年の古民家を生かした宿泊施設兼研究スタジオです。主に海外のアーティストが水性木版画を学ぶ滞在型施設として整備されました。ここを拠点にして、35日間の滞在型研修が開催されます。年間5回の開催予定で一回ごとの定員は6名です。主に欧米からのアーティストが滞在し、水性木版画の歴史や技法をインストラクターの指導で学びます。合わせて、木版画用紙として品質の高い越前和紙の魅力を発信が期待されます。

「国際木版画ラボ」築約100年の古民家の藏

「国際木版画ラボ」は、山梨県から移転してきました。どうして福井の今立地区に移転したのでしょう。県和紙工業組合が2年前から誘致に取り組み、市の補助金も受けて、山梨県から越前和紙産地への移転を実現しました。広々とした作業場です。2階建ての母屋と藏2棟合わせた建築面積は、680㎡もあります。海外の様々な分野のアーティストが、35日間、水性木版画の歴史や技術道具のメンテナンスなどを学びます。一度に6人の受け入れ可能で、参加者は寝食をともにしながら作品づくりに没頭できます。福井に移転してきた理由を、国際木版画ラボ ・佐藤靖之代表理事は、次のように述べています。

「和紙の産地だからです。和紙の産地で職人さんとアーティストが直接会い対話ができることが大きな理由」

木版画の世界では、発色が良く摩擦に耐えられる丈夫な和紙が重宝されています。その中でも越前和紙は上質で、海外からも人気です。また、木版画は乾燥が大敵で、福井県ならではの湿度の高さも移転の決め手の一つとなりました。ラボでは今後、アーティストらが紙漉き体験をしたり、和紙職人との交流を通して和紙文化を学んだりする「プログラム」も検討しているとのことです。和紙は、世界の宝です。

「国際木版画ラボ」古民家内の作業場
国際木版画展ポスター
越前和紙漉き
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