私が議員になって最初の一般質問で取り上げたのが、「豪雨への対応」と「山林の手入れ」についてです。令和4年9月議会です。私は「里山のもつ治水力を回復すべく里山の整備が必要」「山が荒れている。もはや林業従事者や、山林所有者だけの問題ではなくなっている。」「越前市の取組をお聞かせください。」と質問しました。ここでの回答が、「「森林環境マスタープラン」を作り、計画的に里山の再生に当たる」でした。さらに市議会からも意見をまとめ、市に提出しました。市では、森林組合や材木事業者、各地区に出向き林業従事者や獣害対策関係者との話し合いを何回もしてくださり、令和6年3月、荒れた里山を整備していく計画が完成しました。財源として森林環境贈与税を充て、市民の方と共に、整備し保全していく計画です。具体的には、次のことなどが盛り込まれました。①森林環境譲与税を基金に積み立てることなく、適切に執行。②小規模森林間伐促進事業、林道の維持保全活動の補助対象を拡大。③里山の整備のための作業道(軽トラックが走行できる程度の山道)の整備、維持補修費用に対して補助。 ④多くの市民が親しみやすい箇所を選定し、モデル事業として整備。
山林、特に私たちの身近で、人が手入れをしてきた里山は、本来、水源を豊かにし、土砂災害を抑える、人の心を癒してくれる、二酸化炭素を吸収してくれるなど、多くの役割を持っています。里山の土壌は、有機物やさまざまな生物によってスポンジのような構造となっているため、やせた土地と比べて、雨水を地中に浸透させる能力に長けています。このため、雨水を充分土壌中にたくわえてゆっくりと河川に流すことができ、洪水や渇水を緩和します。土壌の表面をおおう落葉、下草等によって、雨などによる土壌の流出を抑え、土砂崩れなどの土砂災害の未然防止に力を発揮するとされています。これらは、私が子供のころの里山のイメージそのものです。私は、近年、獣害対策が始まりで、町内にある村国山に登り、密集竹林の伐採や、登山道の整備をしてきました。ここでみる里山の景色は、子供のころの里山のイメージとは全く異なります。蜜集した竹林や杉林など暗く怖い場所となっています。密集林の土地はやせこけ、樹木の根があらわになっています。昭和56年の豪雪で倒壊したと思われる倒木から近年の倒木まで、長い間、間伐がされず、倒れた木が放置されるなど、荒れた状態です。これらの倒れた木や倒れた竹が、大雨により谷に流され、谷をせき止め、せき止めきれなくなった雨水が一気に濁流化し、次々と堰を切り、水流を増し、下流での大きな土石流被害を巻き起こす一因になっていると思われます。現に、大雨が降ると竹や流木が一気に流れ出、大きな被害が出ています。