書道「田中焼月先生」個展

人にやさしく自分に強く

日本語は漢字、平仮名、片仮名という多種の言語形態を駆使する、世界でも類を見ない言語文化です。この特有の言語文化を継承してきたのも、過去の歴史や文化を未来に伝達してきたのも、毛筆の文化であり、書道です。「日本人の美意識」、「不均整の価値」、「間」を大切にしています。

「文字」とは、主に意思伝達の手段として使われ、西洋世界ではその領域に留まっています。しかし、東洋世界では、文字の造形に注視し、それをいかに美しく書き表すか、という点を深く追求したのです。こうして「文字」はただの「意思伝達手段」の領域を超え、芸術としての発展を遂げました。

念ずれば花ひらく

福井県越前市では、この書道文化が根付いています。「越前市を書道の街に」と、半世紀以上、活動をいていた田中焼月先生(越前市松森町・81才) の個展が、このほど鯖江市の「まなべの館」で開催されました。

田中先生は、女流書道家で、暮らしの中で感じた「命の尊さ」を揮ごうした小作品約100点を展示しました。先生は、その高い芸術性が広く認知され、書道を次世代へと伝える教育者でもありました。

山是山水是水 あるがままに

今回の作品の表具は、越前市の「丸山表具」が担っているとのことです。表具師の想いや技術が込められています。表具の部分もチェックすることで楽しみが倍増しました。どのように作品を引き立てようと表装したのかを考えながら見るのも面白いです。

心のままに
夢…
生かされていきる
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