人口減少、少子化は、これまでも、国も市も対策を講じてきています。しかし、残念ながら、成果が見られません。成果の気配どころか、ますます、少子化の速度が増し、未来の日本の人口は一段と減少すると指摘されています。国も地方も、私たち自身が知恵を出し合い、取り組まなくては、解決できない課題と思います。議会での活動を福井総合政策フォーラム 21(F-TOP21)丹南支部で報告しました。その内容を取り上げます。
事態は、とても深刻です。令和6年6月5日、厚生労働省は、令和5年の人口動態統計を発表しました。 日本の出生数は、過去最少です。8年連続の減少 です。統計を始めた1899年(明治32年)以降、最少となりました。合計特殊出生率は、1.20 で過去最低。8年連続低下です。 婚姻件数も減少 、離婚件数は、増加 です。少子化の速度が増しているのです。
上の図は、都道府県別に見た合計特殊出生率です。全国平均は、1.20、東京都は、最も出生率が悪く、0.99、最も出成率が高いのは、沖縄県で1.60です。福井県は、1.46。低いながらも、全国で比較すると優秀な数値です。安心して生み育てることができる「子育て県」です。
福井県内の9都市の合計特殊出生率のグラフです。調査期日が異なり、福井県の出生率は、1.55となっていますが、本市は、1.59です。県の平均値を上回り、まずまずの数値です。健闘しています。福井県内では、小浜市、おおい町の出生率が高い事がわかります。
しかしながら、低いレベルで数値を並べ、一喜一憂している場合ではありません。人口維持に必要な目安は2.07です。事態がとても深刻なことを、民間組織「人口戦略会議」が、自治体が「消滅」との表現を使い表しました。
今年の4月25日の福井新聞の1面トップの記事で、全国の自治体の4割が、「消滅可能性」と伝えています。「人口戦略会議」は、全国で、1729 自治体のうち744市町村を、将来的に「消滅の可能性がある自治体」として公表しました。また、「自立持続可能性自治体」は 65 で、全自治体の 4%です。
県内では8市町を「消滅可能性自治体」と報じています。 幸いにして、越前市は、この「消滅可能性自治体」には入っていません。
民間組織「人口戦略会議」は、10年前にもこれらの状況を公表し、全国紙をはじめ、マスコミに大きく取り上げられ、国も対策を講じてきています。政府は、国家戦略として「骨太の方針」の中にこの問題をとり上げました。阿部晋三総理の時です。それは、
1 東京への1局集中に歯止めをかけること
2 人口減少の克服。これを目指した総合的な政策を推進すること。
3 政府一体となって取り組む体制を整備すること。でした。
そして「まち・しごと・創生本部」が設置され、地方再生担当大臣が誕生しました。石破茂大臣です。「総合戦略」が策定され、地方創生関連法案が成立しました。毎年30億円~100億円の公金を投資して戦略に基づく施策が実施されました。自治体には、「人口ビジョン」と、「総合戦略」の策定が、「努力義務」となりました。本市においても策定し、交付金をうけています。しかし、残念ながら、これといった成果が見られません。地方から、東京圏への人口流出は、減るどころか、むしろ増えています。 全国の多くの市町村では、人口減少に歯止めがかからず、一段と、少子・高齢化が進んでいるのです。本市も同様です。
未来の人口は、20代から30代の女性の増減がカギです。増やすには。つまり、減らさないためにはどうしたらよいのでしょう。