越前市は、コウノトリをシンボルに希少野生物の保護に力を入れ、大きな成果を得ています。コウノトリ呼び戻す農法らを推進する人々の熱い想いが、日本でいったん絶滅したコウノトリを復活させたのです。素晴らしい事です。越前市の「誇り」であり、「最高の宝もの」です。有害鳥獣も、生態系を構成する重要な要素の一つです。役割を果たしています。例えば、人に危害を加えることから絶滅に追い込んだニホンオオカミですが、このオオカミが細々とでも生息していれば、今日のような多くのイノシシやシカによる被害がなかったのかもしれません。生態系の保全は大切なことです。このような反省の中から改正を重ねてきた法律が、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」つまり、「鳥獣保護法」です。環境省が所管省庁です。
一方、近年、イノシシやシカなどの被害は、全国的に深刻な状況です。 これに対処すべく、議員立法でできた法律が、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」、つまり、「鳥獣被害防止特措法」です。農林水産省が所管です。農林水産大臣による獣害対策の基本指針の策定、市町村による被害防止計画の作成、鳥獣被害対策実施隊の設置、などについて定め、鳥獣による被害を防止することを目的としています。土田のぶよしは、令和5年6月議会において、鳥獣の保護ではなく鳥獣害対策の視点から質問をしました。
質問は、①高齢化が進み、人口が少ない山際集落では、鳥獣被害があり、侵入防止のワイヤーメッシュ柵を支給されても、設置が出来ない。山田賢一越前市長は、選挙時に「公共事業として設置」と言っていたが、「施策が進んでいない。どうなったのか。」
回答は「山間地にある高齢化や人口減の集落では、鳥獣害対策の人員が決定的に不足している状況は、市も大きな課題として考えている。」「本年度も県と共に強く国に要望していく。」とのことでした。
他に、②被害対策の担い手の確保、狩猟者の育成・確保を図るため、体系的な研修を県に依頼 ③越前市は、獣害対策を報告する県の所管が違う。「駆除」を進めようとしているのに「保護」するところに、報告・相談・連携しても事態は進まない。④R3年法改正に沿った「鳥獣害実施隊」の市町をまたいだ活動の整備を。以上の視点から、理事者の考えを質しました。